建物への想いを鉄骨1本1本に!従業員とは本気で向き合う…向き合い続ける

株式会社晃南 代表取締役 林敦寿
第三回目のインタビューは、栃木市にて鉄骨鳶業を営む株式会社晃南(コウナン)の林 敦寿社長。若かりし頃に高い意識を持ち独立。従業員と本音で向き合い続ける林社長の仕事への想いと、今後の展望を伺いました。

株式会社晃南(コウナン)

代表取締役 林 敦寿

2019年12月5日

いきなり地上30メートル!でも怖いなんて言えなかった…

──業界歴と建設業界に入ったきっかけを教えて下さい。

業界に入ったのは16歳からだからもう30年ですね。中卒だったので夜間学校に行きたいと思っていて、最初は舗装会社に入り、そこで図面を書く仕事や設計をしておりました。半年で辞めちゃったんですけど(汗)。
そこからは色々な職を転々としていましたが、ある時に先輩の家に遊びに行ったところ、その先輩の実家が鳶職をやられていて働かせて貰う事になりました。

──鳶職は高い所で働くというイメージですが、怖くはなかったですか?

初日にいきなり地上30メートルの現場で正直ブルブルでした(笑)。でも何とか乗り切って地上に降りた時に、地に足が着いた安心感と「あんなに高い所で働いていたんだ」という高揚感が混ざりあって、この仕事を続けてみようかなと思えたのです。

──いきなり30メートルですか(汗)。高所恐怖症の私は無理かもしれません…。

当時と違って最近は安全対策も格段に進化しているので、そんなに恐くはないですよ(笑)。高い現場はエレベーターなんかも設置されますしね。

──独立までの経緯を教えて下さい。

「仕事を紹介してくれた先輩に負けたくない」という気持ちでがむしゃらに働きました。その先輩は家業を継いでいずれは社長になる人だったので、「私も先輩のように社長になりたい…」と考える様になったんです。
そこからは独立を視野に入れ、そういう姿勢で仕事に取り組みました。周囲とのコミュニケーションの取り方も変わり、責任感を持って「自分の会社だったらどうなのだろう?」と考えながら働きましたね。夜は寝る間も惜しんでガソリンスタンドなどでバイトをしてお金を貯めました。
そして21歳の時に勤めていた会社に話を通し、以前の仲間と共に7名でスタートしました。

高所で作業をする鳶職人

鳶職とは高所での作業を専門とする職人さんの事。現場の花形なのです!

誇りを持ち、プロの仕事とは何かを考える。

──鳶職というのは良く耳にしますが、鉄骨鳶とは実際にどんな仕事内容なのですか?

建物を建てる時、基礎の上に人間で言うところの骨の部分を組み上げる仕事です。鉄骨をトラックで運んでそれをクレーンで上げて、上空で取り付けてボルトで締める。足場設置などはその後の工程なので、本当に建物の軸を築く仕事ですね。ネットを張ったりもするので、その後に作業する職人さんが、安全に働き易い環境を併せて作るイメージです。
また、最近では耐震補強を行います。「ブレース」と言うのですが、建物にV字やクロスで鉄骨があるのを見た事ないですか?日本は地震の多い国です。強度の計算式が変わり、官公庁だけでなく民間も重要視し始めています。

──建物が完成した時の達成感はひとしおではないですか?

そうですね。まず我々が手掛けなければ建物は建たないし、「地図に残る仕事をしている」というのは誇りに思います。某有名ホテル、大手ショッピングモール、公共施設も手掛けますので、「俺達がここを創った!」という達成感は感じられます。

──仕事で心掛けている事があれば教えて下さい。

町場(住宅系の現場)の様にお客様から直接感謝の言葉を頂く事はないですが、関わった方々が喜んでもらえるようには心掛けています。
建物が完成すると鉄骨は見えなくなりますが、「その建物がどういう想いで建てられるのか」「自分の家ならどうなのか」を考えると、ボルト1つ締めるのも手を抜けないし、汚い手袋で触る、土足で登るなどは出来なくなります。鉄骨を雑巾で拭いて綺麗にしていますよ。

──そこまでやる業者さんはいらっしゃらないのではないですか?

全くいないとは思いませんが、少ないんじゃないかな。傷があったら錆止めを2回塗っておいたり、「プロの仕事ってどんな仕事だろう?」を強く意識して従業員にも伝えています。
先日、鉄骨屋さんから「私は林社長と仕事がしたいんだ」という言葉を頂いた時は嬉しかったですね!

大型施設での鉄骨の取り付け

大型施設などを中心に、誇りを持って地図に残る仕事を!

従業員とは本音で向き合う。向き合う事を続ける。

──高い意識を従業員の皆さんに伝えるのは大変ではないですか?

そうですね。社内に新しい事を取り入れたり、私自身は経営者のセミナーや研修を受けたりもしますが、正直いまだに手探りです。でも最終的にはコミュニケーション、対話だと考えてます。

──なるほど。でも中には長期の現場もあり、従業員の方となかなか顔を合わす機会も少ないのではないですか?

確かに長い現場だと半年、一年のところもあります。ですので定期的に社内で食事会を開いてます。また日報内容に違和感を感じたり、仕事が遅れていたりすると従業員のモチベーションが下がっていると判断し、食事に連れて行ったりもしますね。
その際はあえて高い寿司屋に連れて行きます(笑)。私が若い頃、尊敬する先輩に同じようにしてもらったからです。その時は話を聞いてくれる先輩に感謝と尊敬を感じ、この寿司屋に「いつか自分のお金で来たい」と憧れも抱いたので。

──素晴らしい!私も是非連れて行って下さい(冗談です…)。

懇親会の様子

懇親会の様子。社長が最も重要視するコミュニケーション。

次のステージへステップアップさせたい!してほしい!

──因みに従業員の方は栃木の方が多いのでしょうか?都内などの現場の場合はどうされてますか?

基本は栃木の人間が多いのですが、弊社は千葉に宿舎がありますので、現場が都内でもそこから通う事ができます。技能実習生(海外から来ている方)も数名おりますので、寮としても使用しています。週末は皆で楽しく飲み会なんかやっているみたいですね!

──いま建設業界は人手不足の中、世間では働き方改革が唱えられてます。御社で取り組まれている事はありますか?

正直、業界的に「完全週休2日制」とかはなかなか厳しいですよね。仕事が多く人手が足りない…、業界全体の課題だと感じます。大手さんでは導入されているところもありますが、結局休みがあれば他の現場に行って貰う事になったり…。もちろんその分は給料で返しますけど。
具体的な取り組みなのかは分かりませんが、私は従業員には将来的に職人からステップアップしてもらうステージを用意したいと考えてます。もちろん会社を離れるのは寂しいと感じますが、可能性を広げてほしい。
管理側にまわる事でも良いですし、独立しても良い。学校に行きたいという従業員の学費を出した事もありますし、極論、別業界に転職しても良い。私でも社長になれたのだから、従業員にもこれから建設業で関わる人にも自分の可能性を信じて広げていって欲しいと感じます。ちょっと話が大きくなっちゃっいましたけど、従業員とは一生の付き合いになれば良いと考えてますね。

──素敵です!林社長の想いに感銘を受けました。本日はありがとうございました!

林社長と技能実習生

林社長は技能実習生の受け入れも積極的に行っている。

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